日本の「持ち家率」は総務省の統計では1973年「59.2%」→2018年「61.2%」と45年間「60%」前後と
横倍に推移しています。
昨今は持ち家離れが叫ばれているように思えますが、データー的にはほぼ変わっていないのが
現状のようです。
そこで、今回は「日本の持ち家率」は世界的に「高いのか?」・「低いのか?」という観点で
近隣諸国と「持ち家率」を比較してみようと思います。
このお話は、持ち家に興味がある人にとっても興味がない人にとっても「豆知識」として読んで
頂ければと思います。
ぜひ、最後までお楽しみください。
日本の持ち家率と近隣諸国の持ち家率
持ち家率
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- 日本・・・61.2%(2018年)
- アメリカ・64.2%(2018年)
- 韓国・・・56.8%(2015年)
- ドイツ・・46.5%(2018年)
となっています。
上記から、日本の持ち家率は世界的に比較しても「高い」といえると思います。
では、諸外国と日本の住宅環境にどのような違いがあるのでしょうか?
日本と近隣諸国の環境の違いを確認して見ましょう。
日本の持ち家率
日本の持ち家率は、統計がある1973年の59.2%から1983年に62.4%のピークはあるものの、
2018年は61.2%とほぼ横倍で推移しています。
この持ち家率の維持は、国による減税支援が大きな役割を果たしていると私は思っています。
例えば、1978年から始まった「住宅ローン控除」すでに歴史が約半世紀の減税措置になっています。
この減税は期間限定のはずが今でも続いている措置です。
今では、持ち家を購入する一つの決め手になっているのではないでしょうか。
そして、2014年から始まった「すまい給付金」、これは今のところ令和3年12月までに引渡され入居が
完了した住宅を対象となっているので、
ぜひ、持ち家購入を検討している方には利用していただきたい制度です。
(※「すまい給付金」は令和3年「住宅税制改正概要」により1年間延長になりました)
他にも、贈与税・固定資産税・取得税など住宅を購入する上での減税処置は多岐に渡っています。
私は日本の持ち家率は、今後も現在の「60%」前後で推移し続けていくのではないかと思っています。
なぜなら、その理由は日本でも「ノンリコースローン」に近い商品が出てくるのではないかと思っているからです。(このお話は、また別の機会にしたいと思います)
↓↓↓↓日本の持ち家率の推移に関しては下記の記事もご参照ください!↓↓↓↓↓
アメリカの持ち家率
アメリカの持ち家率は日本と多少異なり振れ幅があります。
クリントン政権、ブッシュ政権下の2004年の持ち家率は69.0%あったのに対して
13年後の2017年オバマ政権・トランプ政権下の2017年は63.9%と約5.1%も下がった時期があります。
2018年は64.2%なので若干増えた感じになっていますが、住宅調査予測研究結果によると
今後の持ち家率は徐々に下がっていくという予想とのことです。
私も色々な本や資料で調べてわかったのですが、「アメリカ」の住環境は「日本」とそっくりなことに
驚きました。
いや、日本が真似をしているのかも知れません。
(経済的なことに関しては専門ではないので割愛させて頂ければと思います)
何がそっくりで、真似をしているのかというと、国や州による住宅購入者への減税処置や給付金などです。
賃貸よりも「持ち家」の方が税金の優遇などをえられる。これは日本も一緒です。
また、若者世代の持ち家率も日本と同じく下がり続けているそうです。
住宅を所有することはアメリカ国民にとって「アメリカンドリーム」を実現した一つと
捉えられていたものも2008年までで、
2008年のリーマン・ショック以降は「持ち家率」は減少しているとのことです。
ちなみに、日本はリーマンショックよりずっと以前の1983年以降40代以下の持ち家率は減り続けています。
韓国の持ち家率
韓国の持ち家率は、56.8%(2015年)となっています。
韓国は日本では考えられない「賃貸システム」が確立されています。
その名も「チョンセ」と「ウォルセ」!
簡単に説明すると「チョンセ」とは、
現在は下火になってきているといわれているシステムですが、
入居時にまとまった「保証金」(日本でいう敷金)を支払うことにより「月々の家賃」を支払うことなく、
且つ、退去時に「保証金」(敷金)全額を返してもらえるすごいシステムがあります。
ということは、ある程度まとまったお金があれば「居住費」が掛からないということになります。
そして「ウォンセ」は日本と同じ賃貸システムです。
入居時に「保証金」(敷金)を払い、月々家賃を支払うシステムです。
退去時には「保証金」(敷金)は全額返金されます。
また、その他に最近では「サグルセ」というシステムもあるそうです。
これは、簡単にいうと賃貸期間分の家賃を入居時に一括払いする制度とのことです。
退去時は1円も返金されません。
韓国の持ち家率が低いのは、日本と違い「持ち家」を購入するときにまとまった頭金がないと
購入できません。
そして、満30歳までに2年間の兵役制度があることが要因だといわれています。
ドイツの持ち家率
ドイツの持ち家率は「46.5%」(2018年)となっている。
各国と比べて低いように思いますが、実はドイツはここ数年「持ち家率」は上昇し続けています。
もともとドイツで賃貸需要が高い理由は、部屋を自分で自由に改装(DIY)することができ、
ペットも飼育できるのが基本とのことです。
そして、ドイツは「持ち家のために他のことを犠牲にしたくない」・「自由がなくなる」と
考える国民性あり、持ち家率は低水準のままだったのですが、
ここ最近は住宅事情が変わってきているようです。
理由は「家賃の高騰」そして「安い賃貸住宅」を改修して分譲マンションとして販売する動き、
さらに、富裕層向けの新興住宅地の開発が増えているそうです。
ドイツはレンガや石造りが主流のため、30年~40年で建て替えが必要になる日本の家屋とことなり、
次の世代への資産となりうることから「持ち家派」が急激に増え、住宅ローンの低金利も
追い風になっているようです。
まとめ
日本の「持ち家率」は諸外国からして今現在は高い方だと言えると思います。
しかしながら、アメリカンドリームと同じように「土地神話」がなくなった日本において、
これから「持ち家率」を維持していくには、今まで通りの「減税施策」だけではなく、
購入者が万一返済できなくなった時でもリスクヘッジができる、
住宅ローンの商品作りや保険・補償制度などが必要になってくるように私は思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
豆知識(雑学)の一つになっておりましたら幸いです。
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