少子化が叫ばれている現在、そして、日本の人口は構造上2048年には
1億人を割り込むといわれています。
人口が減っていく中で、生活の基盤である「住宅」はどのように変化して
いくのでしょうか?
今回は、日本の持ち家率の推移とこれからの住宅動向を私の私感も含めて
お話したいと思います。
このお話は、これから家の購入を検討されている方、家を所有されている方に
読んでいただきたい内容です。
ぜひ、最後までお楽しみください。
※但し書き
この内容は、2019年9月30日付総務省統計局の調査結果をもとに作成しています。
日本の持ち家率は!!
平成30年(2018年)の調査結果では、全国の持ち家率は「61.2%」・持ち家件数は
3280万2000戸あるということです。
1973年以降で最も持ち家率が高かった年は「1983年62.4%」がもとも高く、
その後は60%前後で推移しています。
ここで、ちょっと気になることは「2008年」をピークに日本の人口は減り続けて
いるのもかかわらず、
日本の総住宅数は5年前(2013年)に比べて2.9%増加し約151万戸増えています。
また、1世帯当たりの住居数は1.16戸になっているということです。
人口が減っているにもかかわらず、住宅総数は増えている。
なかなか興味深いデータだと私は思っています。
日本の空き家率は!!
そして、日本の空き家の総数は848万9000戸にも昇り、
2013年と比較して29万3000戸の3.6%増となり過去最高を更新したということです。
空き家の内訳は、「賃貸用の住宅」が3万5000戸(0.8%増)、
「売却用の住宅」が1万5000戸(4.9%減)、別荘などが3万1000戸(7.5%減)、
その他の住宅(空き家の理由が判明していない住宅)が30万4000戸(9.5%増)
となっています。
2013年と比べて、賃貸用住宅が微増しているだけで、売却用と別荘などは減っている。
そして、その他の住宅(空き家の理由が判明していない住宅)が突出して増えています。
これは、最近話題になっている「空き家問題」がこれに該当するものだと思われます。
活用しきれていない持ち家が増え、またその維持費を捻出ことができず放置されている。
日本の住宅に関する課題が盛り込まれているデータだと思います。
持ち家の取得カテゴリーは!!
ここで、「持ち家」の取得カテゴリーもふれておきたいと思います。
カテゴリーを、「建て替え」・「新築(注文住宅)」・「新築建売(新築マンション)」
・「中古住宅」に分けたものをデータ別に見ると、
2016年~2018年9月までの2年9ヶ月間で、
- 「新築(注文住宅)」の購入が55万戸
- 「新築建売(新築マンション)」が36万4000戸
- 「建て替え」が22万7000戸
- 「中古住宅」が61万戸
の戸数が「持ち家」として増えています。
総戸数202万1000戸に対して、新築が114万1000戸になっています。
このデータもまた、日本の住宅事情が現れているデータではないかと思います。
これからの住宅動向は?
これらのデータをもとに私感でお話させていただこうと思います。
日本の住宅総数は5年間で「151万戸」増えているのもかかわらず、
人口は100万人減っている。
そして、日本の持ち家率はここ30年以上「60%前後」で推移している。
これは、何を言い表すかというと「世帯を持たない」(独身世代)が多くなっていることを
表しています。
独身の方が、持ち家を所有している率が高まっている。
そして、もう一つの気になるデータ「1世帯当たりの住居数」が【1.16戸!!】
これは、1世帯当たり【1戸以上】の持ち家を所有しているということになります。
日本の総世帯数より住宅総数の方が多くなっている。
これはアメリカよりも高い数値で、不動産神話が残っている証ではないでしょうか。
また、忘れてはいけないのが、「住宅総数」の2割が「空き家」として
放置されている可能性があることです。
特に空き家の理由が判明していない住宅が30万4000戸増、
これがまさしく、今問題になっている「空き家問題」ですね。
空き家が問題となっている一方で、「持ち家」の取得カテゴリーは
新築住宅が60%以上、中古住宅は40%以下の取得率となっています。
これは、持ち家を購入する6割以上の方が「新築住宅」を購入しているというデータです。
空き家問題を解決するには!
上記のことから、これから日本の住宅事情の解決点は、
まず、日本人としての特徴を考慮して住宅事情を解決しなくてはならないかと思います。
日本人は「新しもの好き」です。
この特徴を変えるには相当なインパクトがないかぎり変わらないと思います。
その証拠に、「持ち家」取得の60%以上が「新築住宅」を購入している。
日本人は「新しいモノが好きで、キレイな新築が好きなのです!!」
この事を前提として、特に「空き家問題」を解決するには、
「スクラップ・アンド・ビルド」を考え直し、新築住宅を買うより中古住宅を買った方が
住宅ローン減税、すまい給付金などの恩恵を受けれる施策をするか、
今まで通り「スクラップ・アンド・ビルド」を推奨する代わりに、誰も使わなくなった
住宅を国または自治体、政府系金融機関が市場流通価格で買い取るなど、
前例のない施策をしないと、空き家率は改善しないのではないかと思われます。
事実、住宅ローン控除(減税)の対象住宅は、
木造の場合築20年・鉄筋コンクリートなどは築25年、
それ以外は耐震基準適合・性能評価・瑕疵担保保険加入などが条件となっています。
「新築を買いましょう!!」と言っているように思えるのは私だけでしょうか。。。。
まとめ
日本の持ち家率は60%前後で推移しています。
日本の持ち家率は848万9000戸過去最高を更新しています。
これからの住宅動向は独身の持ち家所有率がさらに高まる。
空き家問題を解決するには、
前例のない施策をしないと空き家率は改善しないと思います。
そして、我々不動産業界も「空き家」を有効活用すべく英知を結集しなければ
ならないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたの持ち家計画がうまく行きますよう心よりお祈り申し上げます。
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